どうしてもアクセスが集まらないんですよね、という相談をよく受けます。
そして記事を読んでみると、「いや、これは読まないでしょ」ということがよくあります。
そういう人に共通しているのは、とにかく独りよがり。
でも、ちょっと書き方を変えるだけで印象は大きく変わります。
とにかくみんな、独りよがりになりがち
独りよがりの文章は本当にたくさんの人が書いてしまうのですが、一つ例を挙げていましょう。ある美容サロンのオーナーの話です。
そこの美容サロンオーナーは、「とにかく情報を発信すればうちの店は人気が出る」と信じて疑わない方。その理由は、「うちは他店には負けない素晴らしい技術を時間をかけてトレーニングしてから客前に出すから」でした。確かに技術はすごいのですが、売り上げは伸び悩んでいます。そして情報発信することを思いついたわけです。
ちなみに余談ですが、この方は周年記念に、創業者であるお母様(もう何年も前に亡くなっている)のシールやクリアケースを作って配ろうといったぐらい何も見えてない方です。
例えば、ブログに発表している内容は、「うちの店はこんなに素晴らしい技術を持ったスタッフがやっている」とか、「こんなにトレーニングに力を入れているんだから、近所のとこの店にも負けてない」というものです。
これだけ聞くと、「別にいいんじゃない」と思うかもしれませんが、さらに、とにかく上から目線。他のお店はこき下ろし、とにかく「うちの店がいいんだ」と言い放ってしまいます。読んでいるうちに気分も滅入るし、はっきり言って楽しさのかけらもない。ずっと自慢話を聞いている。そんな内容でした。
読者はあなたの周りにはいない
ここでポイントになるのは、読者は、「自分がきれいになる情報が欲しいのであって、あなたの自慢が聞きたいわけではない」という点です。
ところが、このサロンオーナーは、「決して自慢話をしたいわけではない。ただ事実を述べているだけだ」というのです。よくありがちだと思いませんか?
自慢話をしているという自覚があるなら修正できるかもしれませんが、その気がないのであれば、なおしようがないということです。
なぜ、こうなるのかを考えていましょう。
このオーナーは、普段接している人は2種類です。
一つは従業員。トレーニングに力を入れているので、ほとんどの時間をスタッフと過ごします。
次にお客様。
お店のオーナーを指名したのみ接しています。つまり、常連さんしか相手にしないわけです。
さてこうなると、すでにそのサロンをよく知っている、または知ろうとしている人のみを相手にしています。故に、一般ユーザーはおろか、お店のファンでない人と接することすらないわけです。
しかし、読者はその美容サロンのことを知らないですし、興味を持ってるわけではありません。ウェブメディアでは情報を発信し、興味のない人に興味を持ってもらうと言う趣旨が大きくなります。理由は、Web メディアとはそういうものだからです。
それなのに、自分の店のファンに向けた情報発信だけをしていたのでは、まったく意味はなくなってしまいます。特には悪意はなくても行き着くところ、「自慢話が鼻につく」とか、「一回行ったけど違ったよね」というような反感を買うことになってしまいます。
WEBメディアの認知が上がることで読者がお客さんになることはあっても、今いるお客さんが読者になることは、まず「ない 」と思った方がいいです。
じゃぁ、どういったことに興味があるか
では、読者が興味があるのは、どういったことでしょうか。
それはズバリ、自分にとって価値があることです。
そのお店がどれだけ素晴らしい店ではなく、自分がきれいになる情報があればそれで満足。そういう情報を求めて Web メディアを読むのです。
では、どうすればいいのでしょう。
目の前に読者がいるわけでないのに、どうやって読者を想像しながら書けばいいのでしょうか。
ここで プロであれば、ペルソナがどうこうという話が出てきますがまず、そんなことは言ったさておき、まずは読者メリットを考える必要があります。
先ほども言ったように、世の中のほとんどの人は店舗に興味がありません。
それゆえに、私の店でこんなことをやっているんだぜすごいだろというのは鼻につくだけです。
なぜなら、それを知ったところで自分に利益がないからです
「そんなこと言われても、読者の利益なんて考えてられるか」とごちゃごちゃ言う人もいるのですが、それなら読者が増えないという悩みを抱えるのはやめましょうよ。
「私は好きなことをアレコレ書く。だから読んでる人が頑張ってよ」というのはおかしいですよね。これが分からない人は、はっきり言って終わってます。
ここって、結構自信を持ってる人には厳しい部分なのかもしれません。今までやってきたことがはなから否定されるわけで、どうしても受け入れられない人は出てきます。
でも実は、ちょっとした書き方を変えるだけでそういう読者にメリットがある書き方になります。言葉というのは不思議なもので、本当に語尾を変えるだけで全く違う印象を与え、ただの自慢話から、読者のメリットがある内容になるので不思議なものです。
それを教えるから、まず自覚を持ってと話すと渋々ながら了解する人もいます。って、ただの意地っ張りじゃないか!笑
実は書き方しだいでメリットになる
では、どのような書き方がいいのでしょうか?
今回の美容サロンの例を出すと怒られるので、全く違うものを参考にしますね。
身近なところでラーメンを食べに行った場合を想定します。
全然違いますが・・・笑
「まるまるにラーメンを食べに行った。あさり出汁が効いてて美味しかった」
これは Facebook など、人と人でつながってという前提があるものであれば役に立つ情報かもしれません。
「誰それさんが美味しいって言うんだから確実だ」
などと評価されるかもしれません。
でも、人と人との繋がりがないももであれば、どこの誰かも知らない人が美味しかったラーメンなんて、何の価値も見出せません。
でも次のように書くとどうでしょうか
「まるまるにラーメンを食べに行った。ここのラーメンはあさり出汁がきいてて美味しい。普段は魚介ラーメンに馴染んでいない人でも美味しいと感じる新しい味わいなので、ぜひ一度挑戦するといいかも」
これだったら、ちょっと食べに行ってみようかなと思いませんか。
この二つ前半は同じです。違うのは後半だけ。
それでも、一つ目の「自分が美味しかった」という主張から、相手が美味しく感じるに違いないという情報が書かれたものに替わりました。これは相手に対してメリットが生まれたことになります。
また、自慢話とも取れるところは最低限にし、読者に想像で追いついてもらうという作業も必要となります。
「うちのスタッフは徹底してトレーニングをしている。一方、他の店のスタッフはトレーニング不足で下手くそで腹が立った」
と書くとすごくマイナスなイメージがあります。
それであれば
「 本来施術は正しいトレーニングを受けた人にしかできないもの。他のサロンさんを見ているともうちょっとトレーニングをすればもっといい施術ができるのになあと残念に思うことがあります」
としたらどうでしょうか?
これであれば、自分のお店はトレーニングをしっかりしているんだよということを自然に想像してくれます。相手の想像に頼りすぎるのは良くないのですが、自慢話になるところは極力控える努力が必要です。
このように、ちょっとした言葉の使い方でイメージは随分と変わります。
- 主観的なことを書きすぎてしまう
- 言わなくてもわかることをわざわざ書いてしまう
ということはマイナスにしかなりませんので、気をつけてください。