WEBメディア制作をお手伝いしていると、いろいろな要望が上がってきます。
中でもよく言われるのが、「コピペをされたくない」というもの。
あなたも、「コピーを防ぐ方法はないの?」と、考えことがあるのでは?
結論から言えば、あるにはあります。でも個人的には、簡単に導入していいというものではないと思っています。
今回は WordPress におけるコピペの話と、出さない方がよい情報の見つけかたについて考えてみたいと思います。
ある日突然、情報を公開することに恐怖を感じる
昨日、とある Web メディアの立ち上げの打ち合わせに行っていました。
そこの社長さん、突然、情報を大量に公開することのリスクを感じるようになり、コピペを防ぎたいと言い出しました。
ちなみに、すでに専門知識をふんだんに盛り込んだ記事を20記事ライティングしており、 ライティングフィーだけで20万円かかっています。
ベースは社内で使っている業務マニュアル。
とは言え、「こんな情報載せてしまっていいの?」という情報もあるにはあるのですが、それはごく一部。
ライティングはそのジャンルに精通した人に書いてもらったのですが、多くは、「ネットや書籍をさがせばどこかにある情報」の域を出ていないのがほとんどだそうです。
それでも、 コピペを恐れる理由は、「これまで散々情報を盗まれてきた」とのこと。
(そしてきっと、彼自身も情報を盗んできたのでしょう)
その会社も100%新しいことをしているわけではなく、”いってこい”だと思うのですが、そこはなかなか納得してもらえないところに、難しさがあります。
実は、こういった相談は結構あります。
最終的にどういった情報を公開するのかというところはクライアントの考えによるのですが、これは単純にコピペがどうこうという話ではありません。
そこで私は、クライアントが正しい判断が出来るように、次のような話をしています。
コピペ防止には【WP-Copyright-Protection】というプラグインを使う
最初にお話をすると、WordPress でコピペができない状態にするには、コードにそのような指示を書き込むか、【WP-Copyright-Protection】というプラグインを使うかになります。
コードもそれほど難しいわけではありませんが、これは CSS に詳しくない人が触ると表示が崩れたり、それを戻そうとしてさらに悪化したりするので、やめた方が良いでしょう。
どうしてもコピペを防ぎたい時は、プラグインを使ってください。
(コード書き込みについては、私自身も詳しい訳ではありませんし・・・笑)
実際には、情報を盗む方法はいくらでもある
まずこのプラグインのメリットですが、そう簡単にコピペはできなくなります。
そういうプラグインなので当然ですが・・・。
ようは、右クリックができなくなるので、コピペもできなくなるというイメージです。その他、「名前を付けて保存」とかも出来なくなります。
その一方で、右クリックができなくなるだけなので、SEOには影響は及びません。
こう聞くと、「それなら、やった方がいいじゃん」と考えると思うのですが、そう簡単なものではありません。
まず、専門的に言えば、このプロテクションを外す方法があります。まぁそこまでやる人は少ないと思うのですが・・・。
他にも、その記事を紙に出力して配りたいと思えば、スクショや画面キャプチャという形で盗むことが可能です。
これに関しては、「コピペされたくない」という人の話をよく聞いて、
「サイトによって右クリックとかできないサイトがあるじゃないですか、うちもそう言うのをやりたいんですよ」
というレベルのことを望んでいるなら、これで十分ということになります。
しかし、たとえスクショができないようにしたとしても、モニターを写真に撮り、その情報を OCRにかければ、かなり正確に文字を抜き出してくれます。また、モニターに映っている文字を自分で入力したり、メモったりすれば、情報はいくらでも盗めるということです。
これを考えると、「簡単にコピペをされたくない」という要望はクリアできても、「そもそも、情報を盗まれたくない」という真の要望には答えられないことになります。
ここは、十分に理解していない場合が多いので、注意したいところです。
情報は体系的に身につけなければ生きたノルマにはならない
最近は、よっぽどのマル秘情報以外は積極的に出した方がいいという流れがありますし、私もそう思っています。
それに、断片的な情報を入手できたとしても、それを体系的に学べなければ、そのノウハウを生かすことはできません。
実際、いろいろなセミナーに行くと、そこで話している内容は「講師が普段、ブログで発表してることじゃん」ということがあります。
それでも、その場に行き、流れに沿って体系的に学び、分からないところは聞き、フィードバックをもらうことで、やっとそのノウハウが身につくわけです。
それと同じだと思うので、よっぽどのマル秘情報でない限り、出してしまっても良いと思うのですが、その感覚は人それぞれなので何とも言えません。
コピペ禁止による大きなデメリット
そして意識しなければならないのは、この完璧ではないコピペ禁止ツールには、もう一つ、大きなデメリットがあるということです。
それは、不正なコピペは防げる可能性は高くなるものの、正規の出典もされなくなるということ。
出典の多くは「出典元」としてリンクを貼ってくれます。これは、外部リンクとして SEO の評価を上げます。この影響は大きく、コピペを出来なくするということは、そのチャンスを自らなくしているということ。完璧にコピペ防止になるわけでもないのに、チャンスを棒に振ることになるのですから、私にはやはり、お勧めできません。
情報は精査し、出していいものは思いっきり出す!
では、どうするか?
私がオススメしているのは、「記事内容を出していい情報だけにして公開すること」です。ここでは、できるだけギリギリの情報を出すのがポイントとなります。
そのギリギリの情報ってどうやって決めるの?という疑問が出てくると思います。これについては、プロのライターの意見を聞いてみるというのが一つです。
例えば、飲食店の経験が長く、飲食店経営の記事を多く書いているライターがいるとます。そんな人が初めて見る情報は、秘匿性が高く隠すべき情報だと言えるでしょう。それ以外の「どこかで見たな」とか、「知ってるし、書いたことある」などと感じた情報は、公開していい情報だといえます。
(もちろん、全ての情報を出せばいいというものではありませんが)
ところが悲しいかな、この感覚で行くと、「俺だけが知ってる特別な情報」がなくなってしまう場合もあるんですけどね。
まとめ
WordPress でコピペをしにくくすることはできますが、完璧に防ぐことはできません。そして、デメリットは意外に大きく、それを分かった上で、「本当にコピペプロテクトをかける必要があるのか」を再考するべきです。
それでもやっぱりコピーしにくくしたいという方は、「WP-Copyright-Protection」というプラグインがおすすめ。あっという間に、コピペがしにくいサイトが出来上がります。